生活習慣病の初期症状

毎年亡くなる方の3人に2人は、生活習慣病で命を落とされます。この病気は、最初は自覚症状がなくじわじわと進行し、発症すると完全に治ることはなく、生涯にわたってお付き合いしなければならない厄介な病気です。

でも、生活習慣病で入院した人たちに聞いてみると「そういえば○○な症状があった。」と思い当たる人も少なくありません。身体からのサインを大したことではないと病気と結びつけて考えなかったために、入院しなければならなくなるほど悪化してしまったのです。

「前ぶれと分かっていたらもっと早く受診したのに…」と後悔しないためにも生活習慣病の危険があると診断された方は、日頃からのセルフチェックを欠かさず、早期発見・早期治療に努めましょう。

高血圧

症状がない! … サイレントキラ−

ほとんどの人が自覚症状がありません。高血圧で治療が必要な状態でも、元気だと思って生活している人が大半です。35歳以上、遅くとも40歳を過ぎたら定期的に血圧を測りましょう。疲労が激しいときには、頭痛・肩こり・目まい・耳鳴り・動悸。息切れ・胸の痛み・むくみ・手足のしびれなどの症状が出ることもあります。こんな症状のときも高血圧を疑いましょう。

予防の心得

  • 塩分控えめ(1日10g未満)にする
  • 肥満の人はダイエットする
  • できれば禁煙する
  • お酒は適量にする
  • カリウムを多めに摂るようにする
    (緑黄色野菜・海藻・果物・豆・ナッツなど)
  • 早寝早起きする
  • ストレスをためないようにする
  • 適度な運動をする

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糖尿病

こんな症状があったら!

尿の回数、量が多い。
のどがよく渇く。
常に空腹で沢山食べるようになった。
疲れやすく、気力体力がない。
急に太りだした。
皮膚がかゆい。湿疹ができた。
視力が落ちた。目がかすむ。
傷が治りにくい。化膿しやすい。
急にやせだした。

予防の心得

  • 標準体重を維持する
  • コーヒーや紅茶には、砂糖を入れないか、代用甘味料にする
  • 栄養バランスを考えた食事を3食食べる
  • お酒を飲みすぎない
  • 午後9時以降は食べない
  • 毎日適度な運動をする

★家族に糖尿病の人がいる場合は、定期的に血糖値をチェックする。

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肝臓病

こんな症状があったら!

白目が黄色っぽい。
だるい、疲れやすい。
食欲がない。
打撲ではないのにあざや出血斑がある。
皮膚の色が黒ずむ。
乳房が膨らんできた(男性の場合)。
おなかがはる。
足がむくむ。

予防の心得

  • お酒は1日3合以下にする
  • 週に2日は休肝日をつくる
  • 食べすぎない
  • バランスのとれた食事をする
  • 食後は30分以上安静にする
  • 入浴はぬるめのお湯で

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脳卒中

発作は突然起こります。しかし、発作の前ぶれ症状があることも多いようです。

こんな症状があったら!

一瞬意識がなくなる。
頭が重い。頭痛が続く。
肩や首がひどく凝る。
めまいがする。
ろれつがまわらない。
たばこやペンをポロリと落とす。
ボタンがなかなかはめられない。
物忘れがひどい。
怒りっぽくなる。

予防の心得

  • 緊張や興奮したとき
  • 激しい運動や早朝・夜間の運動
  • 急に寒い浴室・廊下・トイレ・戸外に出る
  • 冬の水仕事

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心臓病

心臓の冠動脈硬化が原因です。高血圧・高脂血症・肥満・ヘビースモーカー・運動不足・ストレスをため込みやすい等、動脈硬化になりやすい生活習慣の方が要注意です。

こんな症状があったら!

少しの動作で動悸・息切れがする。
脈が乱れる。心臓の鼓動に乱れがある。
就寝中に息苦しさで目を覚ます。
運動や食事、入浴の後に、のどや耳、肩、腕などに痛みがある。
足がむくむ。

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がん

こんな症状があったら!

食道がん

食べたものが飲み込みにくい。
食べたものがつかえる(いったん食道に止まってから、胃に落ちていく感じ)。
飲み物・食べ物が食道にしみる。
胸の真ん中が圧迫されている感じがする。


胃がん

胃がもたれる、胸やけ、吐き気がする。胃が痛む時がある。
食べ物の好みが急に変わった。
急にやせてきた。
便が黒っぽくなった。


大腸がん

下痢と便秘を繰り返す。
便の表面に血液がついている。下着が、血液混じりの粘液で汚れる。
便が細くなった。便意があるのに便が出ない。
腹部に鈍い痛みがある。


子宮がん

月経と無関係に出血がある。
おりものに血が混じる。
腰痛や下腹部の痛みが続く。
性交時、性交後に出血する。


皮膚がん

目・口のまわりに黒っぽいほくろができ、次第に大きく盛り上がってきた。
顔や手の甲にイボのようなものができた。
ほくろの周りに黒いポツポツが出てきた。
爪の下に黒褐色の斑点ができた。
足の裏にあるウオノメやタコが黒っぽくなってきた。


舌がん

舌が痛む、ただれる、食べ物や飲み物がしみる。
舌にしこりがある。


咽頭がん

タンに血が混じる。
しゃがれ声になった。


肺がん

セキとタンがよくでる。
血タンがでた。
胸に鈍い痛みがある。


肝がん

白目が黄色い。
全身がだるい、疲れやすい、いつまでも疲れが取れない。
みぞおち、右上腹部に鈍い痛みが続く。吐き気がよくおこる。
酒やタバコがまずくなった。


乳がん

早期発見の決め手は、自己検診。
月経のある人は月経後の入浴後に、閉経後の人は、毎月1回、日をきめて行いましょう。

がんは、早期発見すれば治療も可能です。日頃の自己チェックと、年1回の健診が大切です。残念ながら、すいぞうがん・腎臓がん・胆のうがんなど健診では、見つかりにくいがんもあります。健診で、肝機能が再検査となった場合には、肝臓以外の病気が原因のこともあるので必ず医療機関を受診しましょう。

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